shadow

友人から借りた河合隼雄著「影の現象学」を読書中
彼女とは本の好みやツボがとても合うので
お互い貸し借りし合っている
割と読むのが速い方なので何冊か読み終わっているけれど
今はこの「影の現象学」に少し時間をかけている
基本的に私の読書時間は就寝前
もしくは移動中の時間
今読んでいる本の前には「表徴の帝国」を読んでいた
少し大袈裟に意味をこじつける嫌いはあるが
西洋人から見た東洋人という日本人は面白かった
これを読んでいた時期は移動が多かったので
読むペースも進んだけれど
今は移動が少なくなって就寝前の読書が専らなのだが
この「影の現象学」は読んでいて少し怖くなる

心の影の世界を鋭く探究した深遠なる名著。
意識を裏切る無意識の深層をユング心理学の視点から掘り下げ、
新しい光を投げかける。
心の影の自覚は人間関係の問題を考える上でも重要である。


影はすべての人間にあり、
ときに大きく、ときに小さく濃淡の度合を変化させながら付き従ってくる。
それは「もう1人の私」ともいうべき意識下の自分と見ることができる。
影である無意識は、しばしば意識を裏切る。
自我の意図する方向とは逆に作用し、自我との厳しい対決をせまる。
心の影の自覚は、自分自身にとってのみならず、
人間関係の上でもきわめて重要であり、
国際交流の激しくなってきた今日においてはますます必要である。


というのが、この本の内容説明で
例として小説などの物語、実際にあった事件など
色々なものが紹介や引用されている
影に乗っ取られる男の話や
実際にあった二重人格、多重人格の話
それから夢の話など内容は色々
影というものがもう1人の自分であるという事を説いていて
それはとても興味深いのだけれども
人の深層部分に触れる事ほど怖いものはないと思う
自分に当てはめて考えてしまう
自分がどんな夢を見るのかと少し怖くなる
心の奥に潜むもう1人の自分
それが夢の中で何かを示唆しようとする事もあるらしい
外に出れない自分が何かをしようともがくらしい


だから、寝る前に読むのが少し気が進まないと言うか
そのせいでこの本を読むペースはとても遅い
けれど、続きはとても気になるので
昼間に読むクセをつけた方が良いのかもしれない