ultima volta al valli

6月2日
シーズン最後のTeatro Valliでの公演でした
私にとっても最後のヴァッリ劇場での公演でもありました


今年7月25日のシーズン末を以てAterballettoを辞め
8月25日からドイツのカンパニーに移籍します


なんだか不思議な感じです
私にとって初めてのカンパニーで
初めてプロとして踊る様になったところです
この4年間、踊りはもちろんだけれども
それ以上にマウロという振付家や同僚であるダンサー
ツアーで回ったたくさんの街や国
色々なものから多くを与えてもらいました
そこを去るって不思議な感じなんです


少し前に個人的に報告はさせてもらったけれど
ここにも書いた方が良いのかしら
と思ったので書いてみた
というのも
Aterballettoでの事も今までと少し変わって
何事もラスト続きになるだろうから
思う所も増えるだろうし、そんな心境を書きたくなるだろうし
引越しや家作り、ドイツ語のことも書いていくだろうし
そんなふうに思ったから、ここにも書いてみた


ヴァッリの写真は既に何度か撮ったけど
これで最後なんだって思うと
実感が湧くような、湧かないような
やっぱりまだ不思議な感じ



地元の劇場で踊る回数は意外と少ない
新作の初演はいつもここなので
初演一週間前くらいから劇場入りしてリハが続く
けど、初演の回数はというと多くて年二回で
新作初演以外に二度か三度の再演があるくらいだったりする
そう考えると、この4年間ヴァッリで踊った回数って
20回にも満たない数だったりする
初演前日のパブリックゲネプロを数えても満たない


回数で言うと少ないけれど
カンパニー本拠地がある地元の劇場
ツアー公演での上演回数の方が多いとは言え
どの作品もいつもこの劇場から始まる
そう思うと、やっぱり愛着ある私達の劇場という気がする


古くて、如何にもイタリアっていう感じの劇場
傾斜のキツい舞台に何度も泣かされた
埃っぽくて、冬は寒くて・・・


自分達がいつも踊る劇場があるって嬉しいものだ



3月8日にもヴァッリで踊った
Aterballetto30周年を祝しての公演で
ハイライト風にいろいろな作品でのプログラムだった


実はこの時がシーズン最後のヴァッリでの公演になるはずだった


早くも2月末で終了したロミオとジュリエットを踊ったり
たくさんの作品がある長い公演プログラムで
如何にも地元ラストという感じがして
私を含めて今年で辞める面子は
結構センチメンタルになっていたたのだけど
5月になる頃になって
また6月2日にヴァッリでの公演があると聞いて
思わず全員で拍子抜けしたのを覚えてる
でも、3月でラストは早過ぎたから良かったけれど


今度行くカンパニーは州立劇場付きのカンパニー
だから、公演のほとんどは地元の劇場で
ツアーは年数回という感じ


今までと全く逆の生活になります


いつかまたヴァッリに戻ってくる日があればいいなと
最後の公演をしている間にふと思ったりもした
この街を違うカンパニーと訪れて踊る
そんなことが起こればいいなと



最後の公演は『InCanto』でした


何となく因縁を感じた
けれど、アンドレアの突然の怪我があって
前日になってキャスト替えがあり
ブリーナはアンドレアの代役をする事になったので
私はブリーナのソロを踊る事になった
彼女のソロの方が私のよりも断然に長いので
最後にこの劇場でたくさん踊れるのは嬉しかったけれど
私のあのソロも代役のルチアがやる事になって
最後の最後でもあのソロを完全に自分のものにする事はできなかった


あのソロをやらないという事で
不安要素が取り払われて妙に安堵してしまった反面
この作品で自分に振り付けられたソロなのに
リベンジも出来ず不完全燃焼で悔しい自分もいた


けど、いつも見に来てくれる友達も最後だからと来てくれて
たくさん踊っているところを見てもらえて良かった
きっともっと良く踊れたのかもしれないけど
精一杯、でも、気張らずに踊れたと思う


今はエウジェニオという振付家のクリエーション中


7月はその新作初演に加えて
ローマや南イタリアへの短いツアーがある
今シーズン最後の最後までイタリアで踊り切ります