不思議な感覚

金曜と土曜
連続で公演だった
金曜はLivornoという街で片道2時間半ほど
公演が終わってから移動して帰宅は夜1時過ぎくらい
翌日の土曜はBresciaという街で片道2時間くらい
同じ街での2公演だったら楽だっただろうな
時々こういうことはある


金曜 いつも通りスタジオで集合
出発してから少しして体調が悪くなったので
移動時間は寝ることにした
昼寝をすると到着した後もボーッとしてしまうから
普段はあまりしない様にしているけれど
今回は結構しんどかった
疲れも溜まっているしと思いながら眠りに落ちる
劇場に着いて レッスンが始まって
あまりにフラフラするのでフィジオの所へ
体温計を渡されて計ってみると37度5分
この時期アレルギーのせいで熱っぽさは慢性になってる
だから 熱があることに気付かなかったのかな
代役がいる部分は踊らないことにして
残りのグループパートだけ踊ることになった
直前の変更を余儀なくされた人達に対して
申し訳ない気持ちが残った


土曜 昼前に目が覚める
体調は少し良くなった様に思えたけれど
バス移動があるっていうのが問題
これが結構疲れたりするんだ
バレエマスターにも言われたので
到着してから念の為に体温を計ってみることに
結果は37度5分と 前日と変わらない
レッスンもせずにフィジオのベッドに横たわって仮眠
目をつぶっているだけで結構気分は楽になる
公演は一作品目の『Terra』は代役がいないので
二つ目の『Minus』だけ後半のパートから抜いてもらう
今回初めてメトロノームのパートをやるんだったけのだけど
それも代役がいないのでやることになり
変換場面が繋がっている椅子もやらないと・・・となり
体力的にはこの椅子が一番ハードだよなと思いつつ
翌日休みだしなんとかなるかなと


公演直前まで気怠さはあったものの
本番が始まるという高揚感からか少し楽になったような
一旦公演が始まったら気合いでなんとかなった
というか 気合いでなんとかなる程度の熱だったとでも言うか
昼間は熱っぽさでボーッとしていたし
着込んでいるのに寒気がしたりしていたのに
舞台に立ってしまったら意外と頭がスッキリしていた
薄手の衣装で寒いかと思ったけれど
これが逆に良かったのかしら
自分の感覚なので良い出来だったかは分からないけれど
一作品目は無事に終わって休憩時間
時差みたいに疲れがドッと来たけれど
思ったよりも大丈夫だった
気分が悪いとかでもなかったし
二作品目が始まって 問題の椅子のパートに
曲が曲なだけに心臓に悪い
体調が良い時でもドキドキしてしまう曲だから
この動悸が何から来るものなのか よく分からなかった
頭を振るわ 椅子の背もたれ使って仰け反るわ
激しいパートなのに頭痛や目眩はなかった
むしろ一作品目で少し慣れたのか
寒くはないけれど 頭が冷えてる感じだった
身体は動ける程度に温かくて
不思議な感覚だった
メトロノームは 初めてやるという緊張こそあれど
この体調でも今までちゃんと出来てきたから大丈夫だと思えた
下から顔の位置に当たる強い照明
後ろを向いた時が 今まで当たってた照明の残像と
真っ暗な舞台のコントラストでクラクラした
けど 集中力ってすごいと改めて感じた


公演が終わってバレエマスターに聞いたら
あの体調で良く踊っていたし
いつもより劣るとかでもなかったよと
それを聞いて安心したけれど
観客にはどう映っていたんだろう
仕事だから体調が悪い時にだって舞台に立つこともある
それは別にすごいことでも何でもないけれど
仕事の場所が舞台な以上 見せられない程の時は
やっぱり舞台に立ってはダメだろうなと思う
観客は舞台上に作られた世界を見に劇場へ足を運ぶわけだし
そこで納得のいかないものは見せたくない
結局 常に体調管理を抜かりなくしておくしかない
体調が良くたって何が起こるか分からない事だってある


色々と考えさせられた舞台でした