water and air


Aterballettoのダンサーである Adrien ( アドリアン ) の作品
『 Chant Pastoral (シャント・パストラル) 』

去年の4月末から数ヶ月間を注いだクリエーション
再びリハーサルが始まるので 自分への思い出し作業ついでに・・・


テーマは 『 水と空気 』
トリオで成り立つ作品内には 3人にそれぞれソロがある
そのソロを創るインスピレーションをアドリアンに与える為に
アドリアンが作品に関するタスクを出し それを即興で踊っていく


そのタスクとは・・・



ケース: 『 水 』


【視覚】
目で見ることができる

海、渦、川、池、泉、湖、雨、露、雫、水溜りなど
水は透明だけれど これらを通す事で目に見える


【聴覚】
耳で聴くことができる

川の流れや海の波音
雨音や雫が垂れた時の弾ける音


【嗅覚】
臭いを嗅ぐことができる

これは海水の潮の香りなどの ごく限られた時のみ


【味覚】
味を感じることができる

例えば海の潮には味がある
水特有のあるようでない味を感じることはできる


【触覚】
肌で触ることができる

冷たかったり、温かったり、温度を感じられる
すくえば掌にも溜めたりもできるけれど 隙間から流れ落ちる



ケース: 『 空気 』


【視覚】
基本的に目に見えない

透明
ただ例えば、風が吹いた時には
葉が舞うことなどから空気の存在を見ることはできる


【聴覚】
聴くことはできる

物の隙間風や突風
誰かが側を駆け抜けた時や物を投げたり振った時


【嗅覚】
嗅ぐことはできる

基本的には無臭
森に入った時に樹や葉から
海辺に行った時に潮の香りを嗅ぐことはできる
お菓子屋やパン屋などの近くなら空気を通して匂いは漂ってくる


【味覚】
舌で味わうことはできない

先の例の様にお菓子屋や
パン屋の空気の匂いを味わうことはできる

味覚ではなく、嗅覚で感じたものから
脳がその味を身体に伝達して再現するだけのこと


【触覚】
肌で触ることはできない

基本的には常に触れている
けれど、触っているという実感はない
手で掴んだつもりでも、そこに実体はない
箱や袋に留めたとしても隙間からもれていってしまう
何かに入れたとしても、その中の空気がずっと同じものとは限らない




こんな事を即興で何パターンも踊る
表現しようとしても傍から見れば同じに見えるかもしれない


でも どちらも共通点がある 『 留まらないこと 』


水を投げつければ 飛沫をあげて飛び散り 滴り落ちていく
こぼれて出来た水溜りは少しずつ形を変えていく
流れた水は重力に従って下へと流れ落ちる


空気は常に周りを漂っている
風が吹けば ただ吹き抜けていく
物に吹き付ければ 四方八方に広がっていく


だから 動きは基本的に常に動き続けて
止まることがない
動いて
そして 考える
ひたすら この作業の繰り返し